はじめに
「グロース株」という言葉を御存じですか?

グロース株とは高い成長率や将来性が期待される企業の株式のことです。
なぜ期待されているかと言えば、それらの企業は革新的な技術や製品、サービスを持ち、
急速に拡大する市場で事業を展開していることが多いからです。
グロースというは英語で『成長』のこと……
つまり【成長性】A‐超スゴイと思われている企業の株がグロース株です。
本記事では、グロース株投資の基本的な考え方から具体的な戦略、
そして注意点まで詳しく解説していきます。

グロース株投資の魅力

グロース株投資の最大の魅力は、驚異的な成長率と短期間での高いリターンです。
実際の例を挙げながら、その魅力を具体的に見ていきましょう。
最早すっかり我々の生活に密着したAmazonの株価は、
1997年の上場時から2021年までの約24年間で、実に約1,700倍以上に上昇しました。
わずか1万円の投資が1,700万円以上になる可能性があったのです。
これは年平均成長率にすると約30%を超える驚異的な成長率です。
日本の例ではソフトバンクグループの株価が、
1994年から2021年までの約27年間で約300倍以上に上昇しています。
1万円の投資が3,000万円以上になるかもしれなかったのです、
このような驚異的な成長は、Amazonならオンライン書店から始まり、
クラウドサービスや動画配信など多角的に事業を展開したこと、
ソフトバンクであれば通信事業を基盤に、
数多くのテクノロジー企業への投資を通じて成長したことなど、
革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業ならではの成果です。
これらの企業は、その事業のスタート地点において、
まさに<グロース株>としての特徴を備えていたと言えるでしょう。

グロース株投資の魅力は、このような「次の大型株」を見つけ出し、その成長の波に乗ることができる点にあります。
新しいトレンドや技術を理解し、将来性のある企業を見極める目を持つことで、短期間で資産を大きく増やせる可能性があるのです。
さらに、グロース株投資は単なる金銭的リターンだけでなく、
革新的な企業の成長に参加する喜びも味わえます。
世界を変える可能性のある企業の成長を、株主として支援し、
その成功の一部となれることは、投資の醍醐味の一つと言えるでしょう。

グロース株投資の実践的アプローチ
グロース株投資で成功するためには単に成長が期待される企業を見つけるだけでなく、
様々な角度から企業を分析し、適切な投資判断を下す必要があります。
以下に、具体的なアプローチを紹介します。
1.財務指標の活用
グロース株を選ぶ際、財務指標は重要な判断材料となります。
ここでは特に重要な指標について詳しく説明します。
◎ROE(自己資本利益率)
ROEは Return on Equity の略で、日本語では「自己資本利益率」と呼ばれます。
これは企業が株主から預かった資金(自己資本)を、
どれだけ効率的に利益に変換できているかを示す指標です。
ROEの計算方法は次のとおりです。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)
例えば、ある企業の当期純利益が100億円、自己資本が1000億円だとすると、
ROE = 100億円 ÷ 1000億円 × 100 = 10% となります。

ROEの数値が高ければ高い程、 投資家は 「この企業は効率よく利益を生み出し、さらに成長する可能性が高い」と判断します。
成長の可能性が見込まれていることは、その企業の株式は『グロース株だ!』と認識されるわけです。
ただし、ROEが高ければ必ずしも良いというわけではありません。
例えば借入金を増やして自己資本を減らすことでROEを高くすることもできます。
しかしこれは重大な財務リスクでもあります。
◎PER(株価収益率)
PERは Price Earnings Ratio の略で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。
これは株価が企業の利益の何倍になっているかを示す指標です。
PERの計算方法は次のとおりです。
PER = 株価 ÷ 1株当たりの純利益(EPS)
ここで、EPSとは Earnings Per Share の略で、「1株当たりの純利益」のことです。
EPSは、当期純利益を発行済み株式数で割って計算します。
例えば、ある企業の株価が1000円、EPSが50円だとすると、
PER = 1000円 ÷ 50円 = 20倍 となります。
この計算式の通り、払う金額に対して利益が少ないほどPERは高くなります。
PERは、その数値が低いほど株価が割安と判断されます。
しかし多くの人が、高PERの企業に投資しています。
一見すれば「割高で利益が少ないのに、なぜ!?」と感じられるでしょう
これは多くの人がその企業が今後成長し、
今は少ない利益が後々大きくなると信じているからです。
投資家はその状況を観て「おお、これはグロース株だ!」と判断できます。
とはいえPERの適切な水準は業界それ自体の違いや、
それこそ企業の成長段階によって、大きく異なってきます。
なので「おお!」とは思っても、
投資の際には他の指標と併せて総合的に判断することが重要です。
◎売上高成長率:

売上高成長率は、企業の成長スピードを測る重要な指標です。
計算方法は次のとおりです。
売上高成長率 =(今期の売上高 – 前期の売上高)÷ 前期の売上高 × 100(%)
例えば、ある企業の売上高が前年の100億円から120億円に増加した場合、
売上高成長率 =(120億円 – 100億円)÷ 100億円 × 100 = 20% となります。
売上高成長率が高いほど、企業の事業規模が急速に拡大していることを示しており、
投資家は「この企業は今まさに、リアルタイムで急成長している!
これは今後も続いて……さらに大きく飛躍する可能性が高いぞ!」と判断します。
【成長性】A‐超スゴイというわけです。
前年比で10%以上の成長率を維持していれば、
その企業の株式は、グロース株の候補と言えるでしょう。
これらの指標を総合的に見ることで、投資家はグロース株を見出し、
高い成長性を持つ企業に投資する判断材料とするのです。
2. 質的分析の重要性
財務指標だけでなく、企業の質的な側面も重要な判断材料となります。
競争優位性
企業が持つ独自の強みや、競合他社に対する優位性を分析します。
特許技術や強力なブランド力、効率的な販売網などが競争優位性の源泉となります。

市場の成長性
企業が属する市場の成長性も重要です。
人工知能や再生可能エネルギーなど、今後の成長が期待される市場で事業を展開している企業は注目に値します。
経営陣の質
優秀な経営陣の存在は、企業の持続的な成長に不可欠です。
経営者の過去の実績や、将来のビジョンなどを確認しましょう。
3. 投資タイミングの見極め
グロース株投資では、投資タイミングも重要な要素となります。
業績発表前後
多くの企業は四半期ごとに業績を発表します。
好調な業績が予想される場合、発表前に株価が上昇する傾向があります。
一方、業績発表後に想定以上の好決算だった場合、さらなる株価上昇が期待できます。
新製品・新サービスの発表時
革新的な新製品や新サービスの発表は、株価上昇のきっかけとなることがあります。
例えばある IT 企業が画期的な新技術を発表した場合、
その後の株価上昇が期待できるでしょう。
市場全体の調整時:
株式市場全体が調整局面にある時は、
優良なグロース株を割安で購入できるチャンスとなります。

グロース株投資の注意点
グロース株投資には高いリターンの可能性がある一方で、
リスクも大きいのが特徴です。
以下に、注意すべき点をいくつか挙げます。
1. 過度な期待は禁物
グロース株は将来の成長への期待が高いため、
株価が実態以上に、企業の実力を越えるほど高くなることがあります。
2019年に上場した「Beyond Meat」は、植物由来の肉製品を提供し注目を集めました。
しかしその後の業績が市場予想を下回り、株価は急落しました。
このような場合、少しでも期待外れの結果が出ると、株価が急落するリスクがあります。

2. 競争の激化に注意
成長市場には必ず競合が参入してきます。
例えば、「Zoom Video Communications」はパンデミック中に急成長しましたが、その後、多くの競合企業がビデオ会議サービスを提供し始めました。
競争が激化すると、利益率の低下や成長率の鈍化につながる可能性があります。
3. 技術の陳腐化リスク
特に技術系のグロース株の場合、技術の進歩が速いため、
現在の主力製品が急速に陳腐化するリスクがあります。
例えば、「BlackBerry」はかつてスマートフォン市場で成功を収めましたが、
スマートフォン技術の進化に追いつけず、市場シェアを失いました。
このような技術革新の速さは、企業にとって大きな脅威となります。
4. 財務リスク
急成長を遂げている企業の中には、多額の負債を抱えている場合があります。
例えば、「WeWork」は急成長を遂げる一方で、多額の負債を抱え、
その結果として財務リスクが高まったことでIPO(新規株式公開)が延期されました。
このような企業は、成長が鈍化した際に負債が重荷となり、
経営に影響を及ぼす可能性があります。

5. 経営者リスク
グロース企業は特定の経営者に依存していることが多いですが、その経営者への依存度が高すぎるとリスクになります。
例えば、「Theranos」という企業は、その創業者であるエリザベス・ホームズ氏による、カリスマ的なリーダーシップで知られていました。
しかし、彼女への依存度が高かったため、彼女が直面したスキャンダルによって企業は崩壊しました。
(そもそも提唱していた技術がインチキだった、という事もありましたが)
このような状況では、経営者の離脱や健康問題などが、
企業の存続を脅かすリスクとなります。
これらの注意点を理解し、具体的な事例とともに考慮することで、
グロース株投資におけるリスク管理を強化し、
より良い投資判断につなげることができます。

グロース株投資の成功のために
これらのリスクを踏まえた上で、
グロース株投資で成功するためのポイントをまとめます。

1. 徹底的な調査
◎何を調べるべきか
・企業の財務情報
売上高、利益、負債などを確認します。
特に過去数年間の成長率や利益率をチェックしましょう。
・事業内容
その企業が提供している商品やサービスが、
市場でどのように受け入れられているかを理解します。
・競合状況
同じ業界内で競合他社と比較し、企業の強みや弱みを把握します。
・市場動向
業界全体の成長性やトレンドを調査し、将来性を見極めます。
◎どこで情報を得るか
・企業の公式ウェブサイト
記載されているプレスリリースや決算報告書を観てみましょう。
・金融ニュースサイト
Bloomberg、Yahoo Financeなどがあります。
・投資関連書籍やブログ
専門家の意見や分析が参考になります。
2. 分散投資
◎なぜ分散が重要か
特定の銘柄に依存するリスクを減少させるためです
複数の銘柄に投資することで、一つの企業が不調でも全体への影響を抑えられます。
・具体的な方法
異なる業種(テクノロジー、ヘルスケア、エネルギーなど)の株式に
5〜10銘を均等に投資することを検討します。
3. 長期的な視点
◎長期保有のメリット
グロース株は短期的には価格が変動しやすいのですが、
長期的には企業の成長が株価上昇につながります。
たとえば5年以上保有することによって、
短期的な市場の変動に左右されず、企業本来の成長力を享受できます。

4. 定期的な見直し
◎見直しの頻度と方法
四半期ごとに保有銘柄の業績や市場状況を確認します。
必要に応じてポートフォリオを入れ替え、不調な銘柄は売却し、新たなグロース株に投資することも考えましょう。
5. 冷静な判断
◎感情に左右されない!
株価が急騰した際には利益確定を検討し、
逆に下落した際には冷静に保有を続ける必要があります。
株価が下がると恐れから売却したくなり、
急騰すると欲望から無計画に買い増しをしてしまうことがあります。
このような感情に流されないためには、
利益確定や損切りの基準を事前に決めておき、
計画に従って行動することが大切です。
6. 投資情報源とツール
◎どこでグロース株を見つけるか
スクリーニングツール( Yahoo FinanceやGoogle Financeなど)で、
自分の条件(成長率、PERなど)に合った銘柄を探すことができます。
ETF(上場投資信託)や投資信託: グロース株に特化したETFやファンドもあり、
これらを利用することで専門家による分散投資が実現できます。
繰り返しますが、グロース株投資は高いリターンが期待できる一方でリスクも伴います。
徹底的な調査と分散投資、長期的視点でのアプローチが成功への鍵となります。
また、定期的な見直しと冷静な判断も重要です。

まとめ
あなたがグロース株投資に挑戦するのであれば、心からのエールを送ります。
この投資の世界は刺激的で、
あなたの資産を大きく成長させる可能性に満ちています。
しかし、その道のりは決して平坦ではありません。
成功するためには、しっかりとした準備と自己理解が求められます。
投資は単なる利益追求ではなく、
革新的な企業の成長を支援することでもあります。あな
たが選んだ企業が成功する姿を見ることは、大きな喜びとなるでしょう。
この旅路は学びの連続です。市場や企業について学び続け、
自分自身を成長させることが、長期的な成功につながります。
あなたのグロース株投資が実り多いものとなることを心から願っています。
