謎のネサラと秘密のゲサラ:経済陰謀論の世界

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はじめに

ネサラ。あるいはゲサラ
この言葉、皆さんは見聞きしたことがあるでしょうか?

ぱっと見は……どう考えても怪獣の名前ですね。
多分アーストロンとゴーストロンみたいに、怪獣図鑑で兄弟と表記されているか

あの二匹を近づけてはいけない!

と防衛チームがてんやわんやする、バニラとアボラス的な、因縁がある二匹って線もあり得る。

ネサラゲサラとつなげると、間違いなく仮面ライダーBLACK RXの敵っぽい。

ゲドリアン配下の怪魔異生獣。
あるいは絶対双子キャラでしょう。
姉のネサラと弟のゲサラ
一見ゲサラの方が危険な男だけど、姉は良い人風のサイコパスで……。

と、昭和の特撮オタクらしく、
一方的に聞かれてもないことを話す、痛々しいムーブを発露してみました。

筆者は昭和の特撮オタクなので、佐々木守と上原正三の影響が強いのです。

つまり思想的にリベラル寄りではあります。

ネットじゃ嫌われがちですが、幼少期のアレなんで仕方ないでしょう。
なにしろほら!佐々木守の佐の字を御覧なさい。
人が左と書いて佐々木の佐。
しかも横書きだと左に寄っている。
な、なんてことだ!出来過ぎだ!
どういうことか分からなければ、氏の作風についてググっていただければ……。

……いつになったら本題に入るのか!

まぁ筆者の思想の時点でNot for meな方、
思想は抜きにしても文体や前置きの長さがDislikeだなぁ!という方。
そんな方々は……お互い距離を取るしかありますまい。

さて。今回取り上げるネサラゲサラ
怪獣でも怪人でも妖しい双子でもありません。
お金にまつわるキーワードです。
『ベーシックインカム』という言葉を調べていくと、
不意にひょっこり出てきます。

ベーシックインカムとは

ベーシックインカムとは全ての市民に対して、
無条件で一定額の現金を定期的に支給する社会保障制度です。

貧困対策や経済的不平等の解消、労働市場の柔軟化などを目的としています。

現在、フィンランド、オランダ、カナダなどで試験的に導入され
これらの国々では失業率の低下や生活満足度の向上など、ポジティブな効果が報告されています

ベーシックインカムなんて人を堕落させる!導入すればその国は滅ぶ!必ずや滅ぶのだ……!

などという意見はX辺りで良く見かけますが、現状は国家経済が崩壊した!という報告はありません。
もっとも長期的な影響や財源の問題など、課題も指摘されているのも事実。
まだまだ研究段階、といったところでしょうか……。

ネサラとゲサラとは

さて、先に述べました通り、
ベーシックインカムについて調べていくと、
ネサラないしゲサラ給付金という言葉が検索結果に出て来がちです。

思想や趣味の話などしてしまったので、
すでに筆者のことが嫌いになった方も沢山いるかもしれませんが、
ネサラとゲサラについて知っておくことは、
なんらかの安全のために重要なことだと思うのです
どうか、どうか私に時間を貸してください……!!

というわけで、まずネサラとはなにか……
ネサラとはNESARA=National Economic Security andReformation Act
国家経済安全保障改革法の略です。

ネサラは1990年代にアメリカの民間人、
ハーベイ・バーナードが提唱した経済改革案です。
この提案には以下のような要素が含まれていました。

・所得税の廃止と国内消費税への置き換え
  個人の税負担を軽減し、消費を促進する狙い。
・担保付きローンの複利の廃止
  借り手の負担を軽減し、債務の蓄積を防ぐ目的。
・二重金属本位制(金と銀)への回帰
  通貨の安定性を高めるための措置。
・連邦準備制度の廃止と新しい財務システムの導入
  中央銀行の権限を制限し、通貨発行を政府の管理下に置く。
・銀行の規制緩和
  金融サービスの競争を促進し、消費者の選択肢を増やす。
・債務の帳消し
  個人や企業の債務を免除し、経済の再起動を図る。

バーナードはこれらの改革により、
インフレ率0%とより安定した経済が実現する!と主張しました。
彼の考えではこれらの措置により、
経済的な不平等が減少し、中産階級が強化されるとされる!
というのです。

これらの改革は経済的な不平等を減少させ、
中産階級を強化することで、社会全体の安定と繁栄をもたらす……とのことです。

特に債務の帳消しや所得税の廃止は、
多くの人々の経済的負担を軽減し、消費や投資を促進する効果があると、
バーナードは主張しました。自信満々でした。

というのは勝手な想像ですが、
なんにせよネサラは議会に正式に提出されませんでした。

その主な理由として、ネサラの支持者は以下の様な事柄を挙げています。

・提案の急進性
  ネサラの提案は既存の経済システムを、根本から覆すものであり、
  政治的に受け入れられる可能性が低かった。
・実現可能性の疑問
  金本位制への回帰や債務の帳消しなど、実施に伴う混乱や国際的な影響が懸念された。
・既得権益との衝突:銀行業界や税務当局など、
  現行システムから利益を得ている勢力から、大々的な反対が予想された。

これらは総じて

ネサラは新しすぎた!凄すぎた!だから旧弊然とした連中には理解されず、受け入れられなかったんだ!

という主張なわけですね。
う~ん?
なんだか見たことがあるパターンだなぁ。
う~ん?

………………他にもネサラが議会に提出されなかった理由に

・学術的裏付けの不足
  ネサラは経済学の主流から外れており、専門家からの支持を得られなかった。
・政治的支援の欠如
  草の根レベルでは一定の支持を得たものの、政治家や政党からの支持を得られなかった。

……と、いったことが挙げられていたようですが、
まぁ、専門家ではなく民間人が言っているのならなぁ……
という思いが胸を離れないのは、筆者だけではないでしょう。

もっとも民間人の提案が国を動かし、好転した事例はあります。
例えば、アメリカの公民権運動は、
多くの一般市民の努力によって推進されました。

また、環境保護運動も、当初は草の根レベルの活動から始まり、
最終的に国の政策に大きな影響を与えました。

しかしこれらの成功例は、長年の努力と社会的な合意形成の結果です。NESARAのような急進的な提案とは性質が異なる気がしますね。

兎にも角にも、ネサラは提案された後は宙ぶらりんとなり、一部に支持者が生まれただけに終わりました。

しかしネサラはその後、インターネット上で独自の進化を遂げ、
ゲサラという概念が新たに生まれました。

冒頭で兄弟怪獣かライバルか……と妄想していましたが、概念的には強化フォームか進化態、上位互換といったところでしょうか?

ゲサラはGESAR=Global Economic Security and Recovery Act
世界経済安全保障復興法の略……
国家の話から世界の話に拡大した名称に、お気づきですか?

この進化の過程で重要な役割を果たしたのが、
ダヴ・オブ・ワンネス」というハンドルネームで活動していた人物です。

後にシャイニ・キャンディス・ グッドウィンと改められたこの人物は、
ネサラの概念を大幅に改変しました。

そしてグッドウィンの主張によると、
ネサラは実際には2000年10月に秘密裏に、『秘密裏に』可決されていたというのです!

クリントン大統領が書類にサインまで済ませたというのに、
時のブッシュ政権は最高裁判所によってその事実を秘匿、抑圧し……!

はいストップ!

どんな思想、社会的立場の人であれここで、あるいはもっと前にブレーキをかけて「妙に変だな~?」と、稲川淳二みたいに言っている人がほとんど……と思いたいのですが、いかがでしょう?

アメリカ政府とか秘密裏とか、
ショックサイエンスやんけ!あすかあきお先生の世界や!
いや、MMRの方が一般的なのか……!?
と、私はある意味テンションが上がっているので話を進めていきますね。

ゲサラの主張

もう一度確認しておくと、ゲサラはネサラの概念を拡大した概念です。
替わった部分の単語の通り、世界規模での経済改革を提唱しています。
特に注目すべきは、巨額の「給付金に関する主張です。

どうもネサラが秘匿されたのと同じように、
ゲサラも抑圧の手を逃れることが出来れば、
あとは実行されるのを待つのみなのだ!
というのが支持者の意見なようであり、
実行されれば以下のようなことが起きるとか

・世界規模での債務帳消し
  個人、企業、国家のすべての債務が免除される。
・新たな金融システムの導入
  金本位制への回帰と新しい世界通貨の創設。
・莫大な給付金の支給
  1人当たり数百万ドルもの資金が分配されるとの主張もある。
・世界平和の実現
  戦争の終結と世界規模での和解。

うーん。
平等や平和は何ごとにおいても大前提にして欲しい!
というのが個人的な気持ちだけれど、そういう意味では共感できるはずなのに、

なんだろう?

なにか引っかかって無理なんだよな……
他にはどんな意見があるのだろう?

ゲサラによる新しい政治システム
=腐敗のない透明性の高い政府の樹立の一環として挙げられているのが……

・環境保護と持続可能性の推進
  先進医療技術の公開とこれまで秘匿されていた治療法の解禁。
・フリーエネルギー技術の解放
  すでに発見されているが政府が秘匿している、
  無尽蔵のエネルギー源=フリーエネルギーの公開と普及。

ふーん。フリーエネルギー……。
フリーエネルギー?
フリーエネルギー!!
フリーエネルギー。これはいけません。しかも政府が隠しているとか。
この手の文言が出てくれば嘘です。詐欺です。そう思う必要が有ります。
秘匿された治療法なんて文言にも、色々思うところがありますが、
フリーエネルギーとは……よくない!じつによくない!

アントニオ猪木が生前、度々騙されたのがこの手の話だったじゃないか!
あの人はアントンハイセルの構想からして、環境問題に敏感だった、
地球を救おうという気持ちがあったんだよなぁ……!

と、アントンに思いを馳せるのも可能ですが、
猪木があの手のことに手を出していなければ……
みたいなイフは誰しも思うことです。
いや、アントンハイセルの失敗あってこそのUWF!
他にも永久機関に手を出してこそのあれとか、これとか……
とか言えるっちゃいえるだろうけれど……。

と、とにかく!
あすかあきお路線な時点で気付くべきだったが、ネサラとゲサラ。これってどうやら間違いなく、いわゆる一つの陰謀論だぞ!?
こりゃあ距離を取るべき内容なのでは!!?
とは思いつつ、もう少し詳しく調べてみました。
するとまぁ、出るわ出るわ!他の陰謀論で擦られまくったパターンの数々!

ネサラとゲサラの正体とは

ネサラは実際には2000年10月に秘密裏に可決されていた
という支持者の主張を先ほど述べました。
この主張、その公式発表の予定日が2001年9月11日の予定だった……と続くのです。

そうです。
9.11同時多発テロ事件は、世界貿易センターへの攻撃は、
ネサラの存在を隠蔽し、その実施を妨げるために行われたものだったのです!
ブッシュはネサラを国民の目から反らすために、イラク戦争を起こしたんだよ!
と、言っているときの私は間違いなく……眼鏡に七三分けになっています。
ネサラとゲサラの支持者たちの言い分は大体こっちの、
ショックサイエンス乃至MMR的な方向性になって行きます。
ゲサラが実施されないのは、
国連の要請をアメリカが無視しているから……という黄金パターン。
まぁ最近の陰謀論の主流では、むしろアメリカが被害者、
って立場になるのが一般的なのかな?

なんにせよゲサラの実施で世の中が良くなるとお思いな人々が、
世界中に一定数いるのは事実のようです。

その実現のためにすでに「ホワイト・ドラゴン・ソサエティ」なる組織が、清朝最後の皇帝溥儀の後継者からの資金提供を受けているとか……
セント・ジャーメイン・ワールド・トラスト
という組織も莫大な資金を用意し、世界中の個人、企業、国家の債務を帳消しにすると主張する準備が有ると……

うーん!ばりばりの陰謀論やんけ!
組織の名前が、その、アレだ!
案の定Qアノンの支持者たちがゲサラの概念に傾倒し始めているとか。
きついな。
中学生のころから尊敬していた推理作家、
島田荘司がQアノンに成っちゃって、同じく推理作家の笠井潔は激おこ!
と聞いてうへぇとなったが、あの時のショックが疼いてしまう。
あの件がショックで、私はめちゃ禿げたんだ!

陰謀論としてのネサラとゲサラ

という個人的な話はいったん落いておいて、ここまでの話をまとめましょう。

ネサラとゲサラの主張は、いくらか魅力的に聞こえる部分もありますが、その論理的整合性を考えると、とても現実的とは言えません
世界規模での債務帳消し。莫大な給付金の支給、フリーエネルギー技術の解放……?

これらの主張は経済学や物理学の基本原則を無視しています。
やっぱフリーエネルギーと永久機関だけは、絶対信じちゃいけないと思う。

しかもこの理論を支持する人々は、
9.11テロ事件やイラク戦争までも。NESARAの隠蔽工作だと主張しています。
これは歴史的事実を歪め、多くの犠牲者の存在を、軽視することにもなりかねません。

一方で、ネサラとゲサラへの批判を利用して、
政府や既存の経済システムへの正当な批判まで封じ込めようとする動きもあります。
「おかしなやつらが今の政府に文句をつけている
 ➡つまり、今の政府はおかしくない!
 ➡今の政府に文句をつける奴はおかしい!➡処すべし!

という短絡的な理屈です。これもまた危険な傾向と言えるでしょう。

結局のところ、この話題を巡る状況は完全にカオス状態に陥っています。
ネサラ支持者、ゲサラ信奉者、
それらを批判する人々、さらにはその批判を利用しようとする人々まで、なんだこりゃ!堂々巡りの目眩ましだ!ドグラ・マグラだ!

そうか、ネサラ・ゲサラとは、ドグラ・マグラだったのか。
つまりネサラとは、ゲサラとは……宇宙とは……
と、ゲッター線に触れたみたいなことは止めておきます。
なんかこういうところだけ見るとカルトっぽいのに、
そんな路線で語られない石川賢って独特だよな。
エネルギッシュ過ぎるからだろうけれど……。

とまぁ、宇宙の根源に触れたロボット漫画の話のついでに、
ネサラの根源、その提唱者について再び触れます。
ネサラの原案を考案した、ハーベイ・フランシス・バーナードという人物ですが、
そもそも経済学者ではなく民間人
ここまで話がこんがらがると、……実在しているのか?とさえ疑問に思ってしまいます。
どうやら彼は実在の人物であるようです。

一方、ゲサラの提唱者とされる「シャイニ・キャンディス・グッドウィン」
もとい「ダヴ・オブ・ワンネス」の実在性は極めて疑わしいようです。

グッドウィンに関して、信頼できる情報源はほとんどなく、その名前はインターネット上の噂や、陰謀論サイトでのみ言及されています。
やはり、ネサラとゲサラ=陰謀論と、捉えておくのが。理に叶っているようです。

しかしさすが陰謀論!リーダーらしき人物の正体が不明どころか、
そもそもいないかもしれないなんて!。
オカルトってのはこうでなくっちゃ!
と、俯瞰で楽しんでるつもりにあなたもなっていませんか!?
後戻りできない深みに落ちていくのを、筆者は何回も見て来ました……。

陰謀論の恐ろしさ

良く言われる例ですが、高学歴で論理的思考力の高い人でさえ、
ストレスや不安が高まった状況下では陰謀論に傾倒することがあります。

世代によってはオウム真理教の幹部たちについて思い出す人も多いでしょうが
ごく最近の話…2020年のパンデミック時には、
多くの医療従事者が様々な陰謀論を信じ始めたという報告もあったのです。

陰謀論にハマる理由は複雑ですが、主に以下のような要因が考えられます。

複雑な世界を単純化したい欲求、不確実性や不安への対処メカニズム、自尊心や自己重要感の向上、所属意識や共通の敵の存在などです。

特にゲサラのような、経済的陰謀論が広まる背景には、
世界的な経済的困窮や格差の拡大があります。
多くの人々が経済的苦境に直面し、
現状を変えたいと強く願う人たちは、確実に存在しています。

ネサラとゲサラの支持者たちはそうした人々の願望を巧みに利用し、
簡単な解決策を提示しているのです。
陰謀論の恐ろしさは一見合理的に見える説明で人々を惹きつけ、
徐々にその世界観に取り込んでいくことにあります。

ベーシックインカムとネサラ、ゲサラの混同

先述の通り、多くの人々がネサラとゲサラを知るきっかけとなっているのは、ベーシックインカムについて調べたときのようです。

そして一部の人々はベーシックインカムとネサラ、ゲサラとを混同し、
両者を同一視してしまうことがあります。
その結果ベーシックインカムまで陰謀論の一種と誤解したり、
現実的な政策提案と根拠のない陰謀論を区別できなくなったりします。

このような誤解は健全な社会政策の議論を妨げる可能性があります。
先に述べた10営、ベーシックインカムは経済学者や政策立案者によって
真剣に研究され一部の国や地域で実験的に導入されている現実的な政策提案です。

一方ネサラとゲサラには科学的根拠がなく、その主張の多くは現実離れしています。
この状況を改善するためには、ベーシックインカムに関する正確な情報を広め、ネサラ、ゲサラとの違いを明確にすることが重要でしょう。

また、メディアリテラシーと批判的思考力を養う教育を推進し、
現実的な経済政策と根拠のない陰謀論を区別する能力を養うことが必要です。

さいごに

最初に佐々木守と並べた駄脚本家、上原正三がヒーローものの脚本で多用していたパターンの一つに、悪の組織がメディアを使って人々を洗脳するという展開があります。

陰謀論に騙されるというのはまさしく悪の組織の陰謀その物。
引っ掛からないように気を付けるのが彼らの生みだしたヒーローを見て育った、私達の義務なのでは?と思うのです。

……なんて具合に〆たなら、
冒頭の無駄話が伏線みたいになって、なかなかクールじゃないですかね?
さしあたり、ネットで見つかる陰謀の黒幕なんて、全然黒幕として機能してないだろ!
というツッコミは、忘れないようにしたいものです。

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