
はじめに
みなさんはBaaSという言葉をご存知でしょうか?
BaaSとはバースと読みます。
バースと言っても野球選手ではありません。
仮面ライダーでもありません。
伊達さんでも後藤さんでもないのです。
BaaSとは「Banking as a Service」の略で、
大雑把に言えば銀行が持つ様々な機能(口座管理、送金、融資など)を、
APIという異なるシステム同士をつなぐシステムによって、
銀行以外の企業が自社のサービスに銀行機能を組み込むことです。
たとえばオンラインショッピングで商品をポチれば、
自動的に口座からお金が引き落とされた時というのは、
まさに銀行のサービスを企業のアプリで行った瞬間
=APIでBaaSが実行された瞬間なのです。
BaaSに分類される機能、サービスは他にもたくさんあります。
この仕組みによって私たちの生活はより便利になり、
金融サービスへのアクセスが広がる可能性があるのです。
今まさに、BaaSは世界中で行われています。
では、具体的なBaaSの導入事例を、いくつか確認してみましょう!

日本のBaaS事例
1. 住信SBIネット銀行のNEOBANK
住信SBIネット銀行は、インターネット専業銀行であり、
「NEOBANK」というBaaSサービスを提供しています。
このサービスを利用することで、
企業は口座開設や送金機能を自社アプリに組み込むことができます。
このシステムでは顧客がヤマダ電機のサイトで商品を選ぶ時、
そのままその場でローン申し込みを行えます。
即時に審査と承認も行われるため、購入手続きがスムーズになります。
2. みんなの銀行
みんなの銀行はふくおかフィナンシャルグループが設立した、
インターネット専業銀行です。
この銀行はpixivと提携して
「みんなの銀行ピクシブ支店」を開設しました。
pixivはイラストや漫画などの投稿サイトであり、
この提携により、クリエイターは自分の作品を販売した際に、
その売上金が直接クリエイターの口座に振り込まれる仕組みが整いました。
3. GMOあおぞらネット銀行の「BaaS by GMOあおぞら」
GMOあおぞらネット銀行は、
「BaaS by GMOあおぞら」というサービスを提供し、
企業が決済機能や口座開設機能を、
自社サービスに組み込むことを可能にしています。
顧客がオンラインショップで商品を選べば、
そのままGMOあおぞらネット銀行経由で決済することで、
手間なくスムーズな取引が実現します。
4. オリエントコーポレーション(オリコ)の活用例
オリコは消費者金融会社であり、
APIを通じて決済機能や小額融資サービスを提供しています。
この仕組みにより、eコマースプラットフォームやオンラインショップが
オリコの融資機能を自社サービスに組み込むことができます。
具体的にはオンラインショップで商品購入時に、
オリコから即時融資が受けられます。
つまりネットショッピングと同時にお金を借りられるということであり、。
ネット上で借りたお金が、そのまま商品代金として支払いに使えます。

世界のBaaS事例
1. M-Pesa(ケニア)
M-Pesaは携帯電話を使った送金・決済サービスであり、
多くの人々が金融サービスへのアクセスを得ることができました。
このサービスでは、
ユーザーが携帯電話から友人や家族への送金や支払いができるため、
特に銀行口座を持たない人々にとって非常に便利です。
たとえば小規模農家が作物の売上金をM-Pesa経由で受け取り、
その資金をすぐに日常生活やビジネス運営に活用できます。
2. Apple Card(アメリカ)
Apple Cardはゴールドマン・サックスと、
Appleが提携して提供するクレジットカードです。
ユーザーはiPhoneから数分で申し込みでき、
そのままApple Walletで利用できます。
このカードではユーザーが日々の支出管理や、
報酬プログラム(キャッシュバックなど)を簡単に行えるため、
多くの若者やテクノロジー好きな層から支持されています。
3. Revolut(イギリス)
Revolutはデジタルバンキングサービスであり、
多様な金融機能(仮想通貨取引や株式取引など)を提供しています。
APIを通じて他企業と連携し、
自社サービスに金融機能を統合することも可能です。
たとえば小売業者はRevolutのAPIを利用して、
自社アプリ内で顧客向けに簡単な送金機能や、
外貨両替機能を提供できます。
4. Stripe(アメリカ)
Stripeは決済プラットフォームとして知られています。
BaaS機能も提供しており、
企業は自社アプリに簡単に決済機能を組み込むことができます。
小規模ビジネスオーナーがStripe APIを使って、
自社サイト上で顧客から直接支払いを受け取ることができるため、
迅速かつ安全な取引環境が整います。

BaaS導入のメリットと課題
これらの事例から見えるBaaS導入のメリットと、
課題について考えてみましょう。
メリット
①顧客体験の向上
金融サービスがシームレスに日常生活に統合されることで、
ユーザーはより便利な体験が得られます。
②新規顧客の獲得
従来の銀行サービスには馴染みがない層にもアプローチできるため、
新たな顧客層が開拓されます。
③データ活用
多様なデータを活用した革新的なサービス提供が可能になります。
④コスト削減
物理的な店舗や人員を削減できるため運営コストが低減されます。
課題
①セキュリティリスク
データ漏洩や不正利用のリスクがあります。
②規制対応
金融規制への適合が複雑化し、
新しい法律や規制への対応が求められます。
③システム安定性
多数の企業間で連携するため、
一つでもシステム障害が起こると影響範囲が広くなる可能性があります。

まとめ:BaaSが描く金融サービスの未来
BaaSは私たちの日常生活に大きな変革をもたらす可能性があります。
これまで「行く場所」として存在していた銀行は、
「いつでもどこでも利用できるもの」に変わりつつあります。
スマートフォン一つで、
多様な金融サービスへアクセスできる未来が現実味を帯びています。
しかし、その一方でセキュリティや規制対応など、
多くの課題も存在します。これらへの適切な対処とともに、
新しい金融サービスやビジネスモデルには大きな期待があります。
私たち利用者も、新しい技術や仕組みに対する理解を深めながら、
それらを賢く活用していくことが求められます。
今後もBaaSによる金融革命から目が離せません。
どんな新しいサービスや革新が生まれるか、とても楽しみですね。
金融の未来に注目していきましょう!
