はじめに

近年、資産運用への関心が高まる中で、
金融商品詐欺による被害が急増しています。
このような詐欺は、投資に興味を持ち始めた方々にとって,
避けて通れない問題です。
本記事では、金融商品詐欺の実態、具体的な手口、そしてそれに対する対策について詳しく解説していきます。
金融商品詐欺とは?
そもそも金融商品詐欺とは、
投資家に対して虚偽の情報を提供したり、
不当な勧誘を行ったりして、お金をだまし取る犯罪行為です。
これらの詐欺は投資家の「欲」や「不安」に付け込み、
巧妙な手口で実行されます。
警察庁の統計によると2023年には、
金融商品詐欺による被害総額が約500億円に達し、
被害者数は2万人を超えたそうです。
特に高齢者や投資初心者が狙われやすく、
このことは社会問題としても注目されています。
金融商品詐欺の主な手口と実例
ではここで、その確認されている手口の種類と、
その実例について取り上げていこうと思います。
ポンジ・スキーム
新規投資家から集めた資金を用いて、既存の投資家に配当を支払う仕組みです。

日本では「ネズミ講」あるいは「マルチ商法」と言った方が、聴きなじみがあるかもしれません。
新規参加者から集めたお金が支払い元なわけですから、
その新規参加者が永遠に増え続けでもしない限り、このシステムはそもそも成り立ちません。破綻しています。
しかし一時的には利益が出ているように見えるのと、なまじ有名な手口であるために「騙されないぞ!」と身構える人でさえ、「あれ?これなら大丈夫かな?」と思わせるような理論の言い換え、手口その物のバリエーションも増えてしまっているのです。
実例:チャールズ・ポンジ事件<1920年代:アメリカ>
ポンジ・スキームという言葉の元となった事件です
(スキーム=計画、枠組み、図案といった意味の英単語)
チャールズ・ポンジは国際郵便為替の価格差を利用し、
「45日で50%の利益」を約束するスキームを宣伝しました。
彼は新規投資家から集めた資金で、
既存の投資家に配当を支払い、多くの人々を引きつけました。
しかし、新規投資家が減少すると破綻し、多くの人々が損失を被りました。
以下に上げる他の詐欺の手口においても、
いくつかはポンジ・スキームの発展形であると言えます。

未公開株詐欺
未公開株詐欺は、上場前の企業の株式を高値で販売する手法です。
「近々上場する」「値上がり確実」といった虚偽の情報を流し、本来価値のない株式を高額で売りつけます。
この種の詐欺では多くの場合、有名企業との提携や成功事例を装って信頼感を与えることが特徴です。
実例:ジャパンライフ事件<2017年:日本>
ジャパンライフは、「7年で2倍になる」と謳って、
磁気治療器のレンタル事業への出資を募りました。
実際には新規顧客から集めた資金で古い顧客への配当を支払う、
ポンジ・スキームでした。
最終的には約7,000人から約2,000億円を集めましたが、
2017年12月に破綻し、多くの高齢者が被害に遭いました。
この事件では、高齢者向けに特化したマーケティング戦略が功を奏してしまい、
多くの人々が騙されました。
仮想通貨関連詐欺
仮想通貨とは、ビットコインなどのデジタル通貨を指します。
このブームに便乗した詐欺も増加しています。
「新しい暗号資産プロジェクト」や「ICO(新規仮想通貨公開)」などと称して、
多くの人々から資金を集めるのです。
これらは高いリターンを謳いながらも実体がないか、非常にリスクが高いものです。
実例:ビットコネクト事件<2016-2018年:世界規模>
ビットコネクトは、「毎日1%の利益」を謳って、
独自仮想通貨(BCC)への投資を募りました。
しかし、このプラットフォームも新規投資家から集めたお金で、
既存投資家への配当を支払うポンジ・スキームでした。
2018年1月にサービス停止となり、推定24億ドルもの損失が発生しました。
この事件では多くの人々がSNSやフォーラムで、
盛んに宣伝される情報に基づいて投資判断を下してしまいました。

FX自動売買ソフト詐欺
FX(外国為替証拠金取引)は小額の証拠金で、大きな金額を取引できる仕組みですが、この分野でも詐欺が横行しています。
「このソフトを使えば簡単に利益が得られるヨ!」
と謳われる自動売買ソフトがを買ってみれば、そんな能力はそのソフトに無かった……と言った手口です。
実例:AIトレーダー詐欺(2021年、日本)
ある会社が「AI搭載の自動売買ソフト」を販売し、
「これを使えば月利30%以上は確実に得られます!」と謳って、
約1,000人から10億円以上集めました。
しかし、そのAIは存在せず集めた資金は運営者自身の利益となったのです。

海外投資詐欺
「海外不動産」や「国際ファンド」を謳い、高利回りを期待させる海外投資案件も存在します。
これらは透明性に欠けており、多くの場合、実際には存在しないプロジェクトへの投資名目でお金をだまし取られます。
実例:ワールドオーシャンファーム事件(2018年、日本)
この事件では、「カンボジアでエビ養殖事業」を行うという名目で、
多くの日本人から約75億円もの出資金が集まりました。
しかし、そのプロジェクト自体は存在せず、多くの出資者が損失を被りました。
金融商品詐欺から身を守るための対策

このような金融商品詐欺から身を守るためには、
まず金融リテラシーを身につけることが重要です。
これは基本的な金融知識や市場動向について学ぶことで、不自然な高利回りを謳われたり、「なんのリスクも無いよ!」という甘言に惑わされなくなります。
そもそも「うまい話」には要注意です。
「元本保証」「リスクなし」といった言葉が出れば、特に警戒しましょう。
現実的な投資ではリスクとリターンは表裏一体ですので、
「絶対儲かる」ということはそもそもあり得ない、
そんなことを平気で言った時点で「嘘だっ!」と思う……
それくらいの警戒が必要なのではないか、と思います。
急かされても冷静さと慎重さを持つことも、
自身と大切な人々を守るためには不可欠です。
あなたに金融商品を売りつけて来た相手が
「今すぐ決断しないと、絶対に損しますよ~?」
と急かしてきても、一晩考える時間を持つことが重要です。

情報源についても確認しなければなりません。
信頼できるニュースソースを確認しましょう。
どんな金融商品に手を付けるにしても、
先方に不明点や疑問点についても必ず質問し、不安要素は解消してから判断することが重要です。
また専門家への相談も有効です。
独立した金融アドバイザーや弁護士など専門家に相談することで、
その意見によって客観的かつ冷静な判断ができるようになります。
投資会社や業者について、その登録状況や認可情報を確認するのも重要です。
また、契約書についても細かく読み、不明点について必ず質問してください。
理解できない内容について署名することは避けましょう。
そして最後に最新情報チェックも忘れず行いましょう。
金融庁や消費者庁などから最新の注意喚起や事例について定期的にチェックし、
新たな手口について常にアンテナを張っておくことが重要です。
被害に遭ってしまった場合の対処法

それでも金融商品詐欺に遭ってしまった場合、適切な対応が重要です。
「自業自得だ」なんて自分を責めたり、
「騙されたなんて知られると恥ずかしい」などと思う必要は有りません。
どうか落ち着いて、しかし迅速に、以下の手順を参考にしてください。
1. すぐに警察へ通報する
まず最初に、被害内容について警察に報告し、被害届を提出します。
早期対応が他の被害者への影響を軽減する可能性があります。
警察への通報は、詐欺の証拠を確保するためにも重要です。
・具体的な行動
最寄りの警察署に行くか、電話で相談する。
どのような詐欺に遭ったか、金額、相手の情報など
被害の詳細を整理しておく。

2. 消費者センターへの相談
次に、消費者センターに相談することも重要です。
ここでは無料で相談できる窓口が設置されていますので、自分だけで抱え込まず、専門家の意見を聞くことができます。
・具体的な行動
消費者庁が設置している消費生活センターに連絡する。
➡電話番号は188(消費者ホットライン)です。
3. 証拠を保全する
契約書やメール履歴など、関連資料は全て保管しておきましょう。
後日必要になる可能性がありますので、大切に保存してください。
この証拠は警察や弁護士とのやり取りで非常に重要です。
・具体的な行動
全ての関連書類をファイルし、整理しておく。
電子メールやメッセージのスクリーンショットも保存する。

4. 二次被害防止
「被害金が回収可能!」というような新たな勧誘には応じないよう注意しましょう。
再度同じような手口で狙われる危険がありますので、警戒心を持ち続けることが大切です。
・具体的な行動:
新たな投資話や勧誘には慎重になる。
不安になった場合は信頼できる人に相談する。
5. 弁護士への相談
被害金額回収や法的対応について専門家へ相談することで、
自分自身だけでは解決できない問題にも適切に対処できます。
弁護士は法的手続きを代わりに行ってくれるため、安心して任せられます。
・具体的な行動:
投資詐欺専門の弁護士を探し、相談予約を取る。
被害状況や証拠を持参し、詳細に説明する。
まとめ
金融商品詐欺は巧妙化しており、その被害も拡大しています。
しかし、迅速かつ適切な対応を取ることで、
多くの場合、このような被害から回復できる可能性があります。
重要なのは、「うまい話」には裏があるという認識と、
冷静さを持つことです。
この知識が皆さんのお役に立ち、
安全かつ効果的な投資ライフにつながれば幸いです。