アジアの地政学的リスクとアメリカ経済の現状

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はじめに

2024年12月12日に経済アナリストのエミン・ユルマズ氏
自身のYouTubeチャンネル『探求!エミンチャンネル』の
「【エミQ】教えて!エミンさん Vol.118」
という動画の中で発信した内容は、
2025年の現在においても非常に重要なテーマを扱っています。



参照➡https://www.youtube.com/watch?v=6f6DN_-xmxY

本記事はユルマズ氏の動画を参照にしながら、
アジアの地政学的リスク
アメリカ経済の現状

について、
そしてその2点に基づいた投資、資産運営の重要性について
詳しく深く掘り下げていきます。

地政学的リスクの高まり

まずアジアの地政学的リスクについて考えてみましょう。
そもそも地政学的リスクとは、
国と国との関係や地理的な要因が経済に与える影響のことを指します。
地政学リスクの例として、
国家間の対立が激化すると、貿易が滞ったり、
投資が減少したりすることで、
経済に悪影響を及ぼす状況
が挙げられます。

※学問としての「地政学」には、
 その成り立ちからして学問と呼べるかどうか……
 という意見もありますが、
 本記事では便宜上、国際関係上のリスクの事を、
 『地政学的リスク』と表現します。

ユルマズ氏は特に韓国、中国、台湾の問題に注目しています。
これらの国々の関係が悪化すると、
東アジア地域全体の経済に大きな影響を与える可能性があるからです。

たとえば韓国では政治的な混乱が続いていおり、
多くの投資家が資金を日本市場に移動させています。
日本は韓国に比べて政治的に安定していて、
投資リスクが低い……と考えられているからです。

次に中国の動向についても、ユルマズ氏は台湾有事
……つまり台湾を巡る軍事衝突が発生した場合、
アジア太平洋地域全体に大きな影響を及ぼすだろうと警告しています。
例えば台湾は世界の半導体生産の重要な拠点なので、
台湾で紛争が起こればスマートフォンやパソコンなど、
多くの電子機器製品の供給に影響が出る可能性があります。

このような状況下で、
日本はアジアの中で比較的安全な市場として注目されています。
日本は政治的に安定はしており、経済的にも一定の信頼性があるため、
リスクを避けたい投資家にとって魅力的な選択肢と
なっているのです。

また、ユルマズ氏はインドについても言及しています。
経済が持ち直しており投資先としての可能性が出てきている……
と分析しています。
インドは人口が13億人を超える大国で、
経済成長の潜在力が高い
と考えられています。

トランプ政権の復帰と孤立主義

ユルマズ氏は参照動画の中で、
今後のアメリカの政治状況に目を向けています。
具体的には当時、再び政権を握ることが決まったばかりの、
トランプ氏が描くシナリオについてです。



動画内でユルマズ氏が予測した通り現在、
アメリカの孤立主義的傾向が強まっています。
孤立主義とは、他の国々との関わりを最小限に抑え、
自国の利益を最優先する政策
のことです。
つまりトランプ氏お得意の「アメリカ・ファースト」です。
具体的には、以下のような政策変更が行われています。

国際貿易協定の見直し
 トランプ政権は、アメリカにとって
 「不公平」だと考える貿易協定の再交渉
を開始しました。
 これにより、世界的な貿易の流れが大きく変わる可能性があります。

移民政策の厳格化
 国境管理を強化し合法・非合法を問わず、
 移民の流入を制限する政策が実施
されています。
 これはアメリカ経済の労働力供給に影響を与える可能性があります。

国際機関からの撤退
 国連やWHOなどの国際機関への資金拠出を減らし、
 一部の機関からの脱退を示唆
しています。
 これにより、
 国際社会におけるアメリカの影響力が低下する可能性があります。



ユルマズ氏は、
このようなアメリカの孤立主義的傾向が強まることで、
台湾有事のリスクも高まる可能性
があると指摘しています。
なぜなら、アメリカが国際問題に関与しなくなれば、
中国が台湾に対してより強硬な姿勢を取る可能性
があるからです。

さらにユルマズ氏は、
アメリカが「世界の警察」としての役割を放棄することで、
ドルの信任が揺らぐ可能性
があると警告しています。
ドルの信任とは、国際社会がアメリカドルを信頼し、
取引や資産保有の手段として広く使用すること
を指します。

ユルマズ氏によればドルの価値は、
アメリカの軍事力によって支えられている
面があります。
つまりアメリカが世界秩序の維持から手を引けば、
ドルの国際的な地位が低下する可能性がある
のです。
現に2024年には世界の外貨準備に占めるドルの割合は、
58%まで低下
しました。
これは20年前の70%から大きく減少しています。

このような状況下では、アメリカ経済にも影響が及ぶでしょう。
アメリカが国際的なリーダーシップを失うことで、
経済的な不安定さが増す可能性
があります。
ドルの価値が下落すれば、輸入品の価格が上昇し、
インフレ圧力が高まる可能性
もあります。

アメリカ経済と株式市場の現状

他にもユルマズ氏は、
アメリカ経済の矛盾について鋭い指摘をしました。
一見好調に見える経済指標の裏で、
製造業や住宅市場などの先行指数が悪化している
と分析しています。

まず、個人消費について見てみましょう。
2024年の個人消費支出は前年比4.2%増加しました。
これは、株式市場の好調による資産効果が大きく影響しています。
資産効果とは保有する資産
=株式や不動産などの価値が上昇することで、
消費者の支出が増加する現象
のことです。

一方で、製造業の状況は芳しくありません。
ISM製造業景況指数は、2024年12月に48.4を記録しました。
ISM製造業景況指数とは、製造業の景気動向を示す指標で、
50を上回ると景気拡大、下回ると景気後退を示すとされています。
この指数が6ヶ月連続で50を下回っているということは、
製造業セクターが縮小し続けていることを意味します。



住宅市場も同様に弱さを見せています。
2024年の新築住宅販売戸数は前年比10%減少し、
100万戸を下回りました。
これは金利上昇による、
住宅ローン金利の上昇に影響していると考えられます。
金利が上昇すると住宅ローンの返済負担が増えるため、
住宅購入を控える人が増える
のです。

株式市場についてはユルマズ氏は
「オンラインカジノ化」という表現を使っています。
これは、株価がファンダメンタルズと関係なく動いていることを意味します。
ファンダメンタルズとは、企業の売上高、利益、資産などの
基本的な経済指標
のことです。
つまり投資家が短期的な利益を追求するあまり、
企業の実態を無視して投機的な取引を行っている
ということです。

特に、テクノロジー企業の株価が急騰していますが、
これが持続可能な成長に基づいているかどうかは疑問です。
例えば、テスラの株価は2024年に年間で150%上昇しました。
しかし同社の売上高の伸びは20%にとどまっており、
株価の上昇が業績の伸びを大きく上回っています。


著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏の動向にも、
ユルマズ氏は注目しています。
バフェット氏は現金比率を高め債券投資にシフトしており、
株式市場のバブル崩壊を警戒しているようです。

資産運用の重要性

ユルマズ氏はインフレが続く中で資産を持つことが重要であり、
優秀な企業への投資が推奨される
と述べています。
2024年のアメリカのインフレ率は3.5%を記録しました。
これは100ドルの商品が、
1年後には103.5ドルになる
ことを意味します。

このような状況下では、
単に現金を持っているだけでは資産価値が減少してしまいます。
そこで重要になるのが資産運用です。

ユルマズ氏は、特に優秀な企業への投資を推奨しています。
例えば、アップルやマイクロソフトなどの大手テクノロジー企業は、
2024年も安定した業績を上げています。
アップルの2024年度の売上高は前年比8%増の4,000億ドルを記録し、
マイクロソフトも同12%増の2,300億ドルを達成しました。

また、資産運用にはリスク管理も重要です。
投資先を分散させることで、 
特定の企業や市場の影響を受けにくくする
ことができます。
(これを『投資の分散化』と呼びます)

例えば株式だけでなく、債券や不動産、
コモディティ(商品)などに投資する
ことで、
リスクを分散させることが可能です。

ユルマズ氏の予測評価

ここでユルマズ氏の予測の正確性を評価してみましょう。

1. 地政学的リスクの高まり:〇
 韓国の政治的混乱、中国の台湾に対する姿勢、
 日本とインドの立場に関する予測が的中
しています。

2. トランプ政権の復帰による孤立主義:〇
 トランプ氏が大統領に復帰して、孤立主義的傾向が強まっています。

3. アメリカ経済と株式市場:〇
 経済指標の矛盾株式市場の異常性が指摘されており、
 現状と一致しています。

4.資産運用の重要性:〇
 インフレ懸念や地政学的リスクの高まりを背景に、
 資産運用の重要性が増しています。

およそ動画内で言及されたユルマズ氏の分析はすべて的中しています。

つまり2024年12月の時点で、氏が示した地政学的リスク、
アメリカの政治状況、経済の現状、
そして投資戦略に関する見解は、
3ヶ月後の2025年2月の時点でも有効性を保っています。

特に、複雑な国際情勢と経済状況を分かりやすく解説し、
投資家に対して冷静な判断を促している点は素晴らしいものです。

今後の見通しと戦略

ユルマズ氏の見解を踏まえ、あなたがもし投資や資産運用を基に、
アジアやアメリカの動向をチェック
しているなら……
以下のような点が注目すべきポイントとなるでしょう。

地政学的リスクへの対応
 東アジアの情勢を注視し、リスク分散を図ることが重要です。
 具体的には、特定の国や地域に偏らず、
 グローバルに投資を行う
ことが考えられます。
 例えば、新興国市場にも注目し、
 ETF(上場投資信託)を通じて幅広く投資することで、
 リスクを分散させることができます。

アメリカの政策変化への準備
 孤立主義の影響を考慮し、国際情勢の変化に備える必要があります。
 ドル以外の通貨や、
 金などの実物資産への投資も検討する価値があるでしょう。
 例えば、ユーロやスイスフランなどの安定通貨、
 あるいは金ETFへの投資
が考えられます。

経済指標の慎重な分析
 表面的な好調さだけでなく、先行指標にも注目することが重要です。
 例えば、製造業PMI(購買担当者景気指数)や
 住宅着工件数などの指標を定期的にチェック
し、
 経済の実態を把握することが大切です。

長期的視点での投資
 市場の短期的変動に惑わされず、
 優良企業への投資を継続する
ことが重要です。
 例えば配当利回りが高く、安定した財務体質を持つ企業に注目し、
 長期保有することで、
 市場の変動に左右されにくい投資戦略を取ることができます。

インフレ対策
 資産の分散投資を通じてインフレリスクに備えることが重要です。
 例えば、TIPS(物価連動国債)や不動産投資信託(REIT)、
 コモディティ関連のETFなどを組み合わせる
ことで、
 インフレに強いポートフォリオを構築できます。

☆火災保険を比較する

おわりに

ユルマズ氏の分析は、経済初心者にとっても理解しやすく、
非常に価値のある情報を提供
しています。

ただし、経済環境は常に変化しているため、
一つの見方に固執せず、多角的な視点を持つことが重要
です。
例えば、テクノロジーの進化や環境問題への対応など、
新たな要因が経済に与える影響も考慮する必要
があります。

およそ投資においては、個人の財務状況や投資目的に応じて、
適切な投資戦略を選択することが不可欠
です。
リスク許容度や投資期間、必要な流動性などを考慮し、
自分に合った投資計画を立てることが重要
です。
まずは自身の財務状況を把握し、
緊急時のための資金を確保する
ことから始めましょう。
その上で、長期的な視点を持ち、
分散投資を心がけることが大切
です。
また、定期的に投資方針を見直し、
必要に応じて調整を行う
ことも忘れないでください。

最後に、投資にはリスクが伴うことを常に念頭に置き、
自己責任で判断することが重要です。
専門家のアドバイスを参考にしつつも、
最終的な判断は自分自身で行う
ようにしましょう。
本記事が氏の動画を検証することを軸とし、
おこがましくも専門家であるユルマズ氏の正誤を評価などした理由も、
その点に有ります。

経済や投資の世界は複雑ですが、継続的に学び、実践することで、
徐々に理解を深めていくことができます。
ユルマズ氏のような専門家の意見を参考にしながら、
自身の知識と判断力を磨いていくことが、
長期的な資産形成の成功につながる
でしょう。


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