こんにちは!
Netflixのドラマ『地面師たち』が大ヒットしています。SNSでも「怖いけど面白い」「こんな詐欺が本当にあるなんて…」と話題です。

このドラマは、実際に日本で起きた“地面師”事件を元にしたリアルな社会派作品。今回はドラマをきっかけに、不動産詐欺の実態や、一般人が気をつけるべきポイントを初心者にも分かりやすくご紹介します。
これから家を買いたい人や不動産投資に興味がある人はもちろん、「自分には関係ない」と思っている方にも、ぜひ読んでほしい内容です!
1. ドラマ『地面師たち』が社会現象に
2024年、Netflixオリジナルドラマ『地面師たち』が「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー/第30回AMDアワード」で優秀賞とAMD理事長賞をダブル受賞しました。
このドラマは、実際に日本で起きた不動産詐欺事件をベースに、地面師と呼ばれる詐欺グループのリアルな手口や不動産業界の裏側を描いています。「エンタメとして面白い」だけでなく、「こんな事件が本当にあるの!?」と社会問題への関心も高まりました。
2. そもそも「地面師」って何?
「地面師(じめんし)」とは、他人の土地を“自分の土地”だと偽って売りつけ、大金をだまし取る詐欺師のことです。
ターゲットになりやすいのは以下のような土地です。

・所有者が高齢で、管理が行き届いていない土地
・長い間、使われていない空き地や空き家
・相続や転勤などで、持ち主が遠方に住んでいる土地
こうした土地は、所有者と直接やり取りするのが難しくなりがち。そのスキを狙って、地面師は巧妙な手口で近づいてきます。
3. 積水ハウスも被害に!有名な「地面師事件」とは
「地面師なんて、まさか自分には関係ない」「大企業なら大丈夫でしょ?」…そう思っていた人も多いはず。
でも実際は、日本を代表する大手住宅メーカー・積水ハウスが、2017年に地面師グループの詐欺に遭い、約55億円もの大金をだまし取られる事件が起きました。
事件の流れ
- 積水ハウスは、東京都品川区の一等地(元旅館「海喜館」跡地)の土地を購入しようとしました。
- そこに現れたのが地面師グループ。「私たちがこの土地の持ち主です」と名乗り出てきます。
- 彼らは、精巧に偽造された身分証や登記書類を用意し、まるで本物の所有者のように振る舞いました。
- 積水ハウスは書類や本人確認をしましたが、偽造の精度が高く、見抜けませんでした。
- 「今すぐ契約しないと他の買い手が現れる」と急かされ、焦って契約・支払いを進めてしまいます。
- 結果、約55億円のお金が地面師グループの手に渡り、土地も手に入らず…事件が発覚したときには、すでにお金も犯人も消えていました。
この事件の全容や教訓は、FSARCの解説記事や積水ハウス公式報告書、伊藤塾の専門家コラムなどで詳しく分析されています。
4. 他にもある!実際の地面師詐欺事件
積水ハウス事件以外にも、地面師による詐欺事件は全国で多数発生しています。
例えば――
- 品川区西五反田の事件(2017年)
東京・品川区西五反田で、地面師グループが約63億円の詐欺を働いた事件。大手都市開発会社が被害を受け、偽の所有者を装い土地の売買契約を結び、実際には所有権のない土地を売却。不動産仲介業者を介して信頼性を演出し、支払いを受け取った後に姿を消しました。 - 世田谷区のマンション事件(2018年)
東京・世田谷区で、地面師グループが約30億円の詐欺を働いた事件。高級マンションの所有者が海外旅行中であることを確認し、その間に偽の身分証明書を作成して売買契約を結びました。所有者が帰国して事件が発覚した時には、既に地面師たちは逃走していました。 - 渋谷区の土地事件(2015年)
東京・渋谷区の一等地で、地面師グループが6億5000万円の詐欺を働いた事件。偽造された身分証明書や登記書類を用いて所有者になりすまし、土地の売却を進めました。 - 港区の高級住宅地事件(2020年)
東京・港区の高級住宅地で、地面師グループが約40億円の詐欺を働いた事件。実際の所有者になりすますために整形手術まで行い、偽の身分証明書を用いて売買契約を締結。所有者が事件を知った時には、既に手遅れで資金は回収不能でした。
5. なぜ積水ハウスは騙されてしまったのか?
積水ハウスの公式報告書や専門家の分析によると、主な原因は以下の3つです。
- 本人確認や書類のチェックが甘かった
地面師たちの偽造書類は、専門家でも見抜けないほど精巧でした。 - 社内の情報共有やリスク管理が不十分だった
「怪しいかも?」という声があっても、現場の焦りやプレッシャーで十分に検証されなかった。 - 「今すぐ契約しないと他に買い手が現れる」という焦らせ戦術に負けてしまった
地面師は“焦らせる”のが得意。冷静な判断力を奪ってしまいます。
6. 専門家でも見抜けない!? 司法書士の限界

不動産取引では、司法書士が登記や本人確認を担う重要な役割を果たします。しかし、地面師事件では、その司法書士ですら偽造書類を見抜けなかったケースもありました。
伊藤塾のコラムでも「本人確認の厳格化」や「複数の専門家によるダブルチェック」の重要性が指摘されています。
つまり、「専門家に任せていれば絶対安心!」という時代ではなくなってきているのです。
7. 地面師事件が社会に与えた影響と法改正の動き
積水ハウス事件をはじめとする地面師詐欺は、社会に大きな衝撃を与えました。
「まさか自分の土地が勝手に売られてしまうなんて…」と不安に感じた方も多く、ニュースやワイドショーでも連日報道されました。
この事件をきっかけに、国や自治体も対策を強化しています。
たとえば、犯罪収益移転防止法の改正により、不動産取引時の本人確認がより厳格になりました。司法書士や宅建業者は、顔写真付き身分証明書の提示や、本人との直接面談を義務付けられるようになっています。
また、2024年には不動産登記法が改正され、相続登記の義務化や、DV被害者の住所非公開制度なども導入されました。これにより、所有者情報の透明性や安全性が高まっています。
8. なぜ地面師詐欺がなくならないのか?社会的背景を考える
地面師事件が後を絶たない理由には、日本の土地制度や社会構造も関係しています。
「所有者不明土地」と呼ばれる、誰が本当の持ち主なのか分からない土地が全国に増え続けています。
これは、高齢化や相続登記の未了、都市部への人口集中などが背景にあり、こうした管理の行き届かない土地が地面師のターゲットになりやすいのです。
また、日本の不動産取引は「書類主義」とも言われ、印鑑証明や住民票、登記簿など“紙の証拠”が重視されます。
このため、偽造技術が進化した現代では、書類だけで本人確認を済ませてしまうと、プロの司法書士や不動産業者でも詐欺を見抜きにくい状況が生まれています。
9. 最新の防犯技術と今後の展望
こうした詐欺被害を防ぐため、最新のIT技術も導入され始めています。
- オンライン本人確認(eKYC)
スマートフォンのカメラで顔認証や身分証のICチップを読み取る「eKYC(電子本人確認)」が普及しつつあります。これにより、偽造書類だけでは突破できない多重チェックが可能になっています。 - ブロックチェーンによる登記管理
一部の自治体や企業では、土地の権利情報をブロックチェーン技術で管理する実証実験も始まっています。これが普及すれば、改ざんやなりすましが極めて難しくなり、地面師詐欺の抑止力となるでしょう。 - AIによる不審取引の検知
不動産取引データをAIで分析し、通常とは異なるパターンや不自然な動きを自動で検知する仕組みも開発されています。

10. 一般の方が気をつけるべきポイント7選
- 不動産取引の基本を知る
知識がないと、詐欺師の甘い言葉に流されやすくなります。 - 売主・取引相手の本人確認は必ず原本で!
印鑑証明書や住民票、運転免許証などの原本を必ず確認。コピーや写真だけの確認は絶対NG! - 登記情報・所有者情報は自分でチェック
法務局で登記簿謄本を取得し、所有者の名前や権利関係を自分の目で確認。「不正登記防止申出制度」も活用しましょう。 - 信頼できる専門家・業者を選ぶ
司法書士や弁護士、不動産会社は、自分で選ぶのが鉄則。相手側が指定してきた専門家は、念のためネットで評判や免許番号もチェック。 - 契約内容・支払い条件を細かく確認
契約書は細部まで読み、不明点は必ず質問。「高額な前金」「急いで支払って!」など、普段と違う条件には要注意。 - 必ず現地を訪れて自分の目で確認
書類やネットの情報だけで判断せず、現地に足を運んで物件や土地の状況をチェック。 - 違和感や不安を感じたら、すぐに立ち止まる
「うますぎる話」や「急がせる話」には必ず一呼吸。少しでも不安を感じたら、家族や信頼できる第三者に相談しましょう。
11. あなたの土地は大丈夫?セルフチェックリスト
- 長期間使っていない土地や空き家がある
- 所有者が高齢、または遠方に住んでいる
- 相続登記が済んでいない土地がある
- 近所で不審な人や業者を見かけたことがある
- 役所や法務局から「名義変更」などの通知が届いたことがある
- 知らない不動産業者から突然連絡が来た
ひとつでも当てはまる場合は、念のため法務局や司法書士に相談してみましょう。

12. 家族や地域でできる防衛策
- 家族で土地や不動産の管理状況を定期的に話し合う
- 高齢の親や親戚の名義の土地についても現状を把握しておく
- 地域の見守り活動や自治会で、不審な動きがあれば情報共有する
- 不動産の相続や売却の際は、家族全員で内容を確認し合う
13. 万が一被害にあった場合の対応
- 警察や消費生活センターに相談
- 司法書士や弁護士に相談し、被害回復の可能性や今後の手続きを確認
- 法務局に「不正登記防止申出」を行い、登記の回復や差し止めを求める
- 家族や関係者と情報を共有
被害回復は時間も費用もかかりますが、早期の相談と行動が解決への第一歩です。
14. まとめ:知識と備えが、あなたと家族を守る
ドラマ『地面師たち』は、ただのエンタメ作品ではありません。
実際の事件を通して、「知識」と「慎重さ」が自分と家族の財産を守る最大の武器になることを教えてくれます。
- 不動産の書類や契約は必ず自分の目で確かめる
- 専門家や家族と相談しながら進める
- 怪しい話にはすぐ飛びつかず、冷静に立ち止まる
こうした小さな心がけが、あなたの大切な財産を守る大きな力になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
「自分は大丈夫」と思わず、身近なリスクとして備えておくことが、安心・安全な暮らしにつながります。

参考文献リスト
- FSARC「不動産業界の闇と積水ハウス地面師事件をわかりやすく解説」
- 伊藤塾「地面師事件の手口と司法書士の役割」
- 積水ハウス株式会社「積水ハウス地面師事件に関する調査報告書」
- Wikipedia「積水ハウス地面師詐欺事件」
- 現代ビジネス「“積水ハウス地面師事件”の犯人は有名デベロッパーの元財務部長」
- Gro-Bels「【実話・元ネタ】70代女性が63億円詐欺…Netflixドラマ『地面師』」
- 日本信用情報サービス「見破ることが出来た地面師たち」
- リビンマッチ「積水ハウスの地面師詐欺事件の真相!」
- ミヤイチ「不動産詐欺を防ぐための5つの対策」
- 日経新聞 telling, 記事
- LandMJS「不動産売買における詐欺の事例と防ぐ方法」
- Sweet Room「不動産詐欺を見破る!知っておくべき防衛策」
Citations:
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%9C%B0%E9%9D%A2%E5%B8%AB%E8%A9%90%E6%AC%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
- https://gendai.media/articles/-/135551
- https://gro-bels.co.jp/labo/fraudulent-landbroker/
- https://jcis.co.jp/antisocial-check/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E8%A6%8B%E7%A0%B4%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%87%BA%E6%9D%A5%E3%81%9F%E5%9C%B0%E9%9D%A2%E5%B8%AB%E3%81%9F%E3%81%A1/
- https://www.lvnmatch.jp/column/sell/33357/
- https://www.miyaichi-kk.jp/blog/blog20240824/
- https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00008030X21C23A1000000/
- https://www.landmjs.com/post/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E5%A3%B2%E8%B2%B7%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%A9%90%E6%AC%BA%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E3%81%A8%E9%98%B2%E3%81%90%E6%96%B9%E6%B3%95
- https://sweet-room.co.jp/column/75f6a134-1eff-4bdf-bef6-b9828a2d4bd5